トピックス−活動報告

【12.03.27】浜岡原発再稼動阻止で要請 

県評・なくす会の共同で

3月27日(火)、静岡県評と浜岡原発廃炉・日本から原発をなくす会(以下「なくす会」)は、静岡県知事宛、中部電力社長宛の要請書をそれぞれ県と中部電力に対して提出する要請行動を行いました。また静岡市の青葉公園において浜岡原発の永久停止・廃炉などを市民にアピールし宣伝・署名活動を展開しました。

「浜岡再稼動に関しては県の安全上の確認が必要」

静岡県への要請行動には静岡県評の林議長(なくす会代表)、県評の八木事務局長、なくす会の小林事務局長など7人が参加し、県側は原子力安全課の藤原課長など3人が対応しました。林議長は浜岡原発の再稼働問題について「県が県民の目線で高いハードルを設けていることについて承知している」と述べると、藤原課長は「他県のところまで言及はできないが、ストレステスト一次評価だけでは再稼動はできないと考えている」と答えました。また「国は『中長期対策(防波壁等)とストレステストで政治的判断』としているが、県としては、耐震バックチェック、使用済み核燃料の処理のめど、原子力発電のコスト、オフサイトセンターなど安全上の確認が必要だと考えている」と述べました。「それは県知事の同意の条件だと考えていいか」と確認すると、「そう考えてもらっていい」と肯定しました。
耐震バックチェックに関しては、「古いものではなく、3・11以降について考慮すべきではないのか?」と聞くと、「当然そういうことになる。保安院からも新たな知見を含めるよう指示が来ている」と回答しました。
 

「使用済み核燃料の処理のめどは立っていない」

使用済み核燃料の処理については、「知事がどの程度のことを言っているかは明らかにされていないが、地層処分だとしたら、膨大な時間が必要だ。現時点で6625本の使用済み核燃料があり、処理は緊急の課題だ」と述べました。また「記者会見の中で知事が中電のリプレース計画の際に提案した乾式中間貯蔵施設はこれに該当するのかという質問もあり、知事は『勉強する』と答えた」と回答しました。トリウム溶融炉については「プルトニウムを焼却できるという意味合いで言っていると考えられるが、いずれにしてもトリウムは実用段階ではない」と述べました。

「拡散シミュレーションによって新UPZの線引き」

原発の防災地域の拡大に関しては、「EPZがUPZになったからといっても、安全協定とはイコールではない。安全協定は当事者間のことである。ただし30キロ圏の自治体からは協定を結びたいという意見は聞いている」と述べ、安全協定の締結は自動的ではなく、別途の努力が必要だと述べました。UPZ等の線引きに関しては、「国が実施する拡散シミュレーションをもとに実施したい。これまで県が委託していたSPEEDIとは違い、1年365日の全てについて行われるものだ。市町と研究会をつくっているので線引きに関しては首長の同意も得たうえで実施したい。線引きができなければ他の事項はなかなか進まない」と答え、「地域防災計画の原子力災害対策編」の改訂は拡散シミュレーションが出される年内以降、来年6月の防災会議になる見通しを示しました。  

「県民合意の手法は住民投票も一つの方法、現時点では時期尚早」

最後に、再稼動についての県の同意の手法に関しては「国が提示している中長期対策(津波対策)、ストレステスト、安全上の確認などは客観的な基準の確認だ。しかし、それだけでなく、「安全」にもとづく住民の「安心」を確認しなければならない。現時点では旧EPZの四市だけでは、福島の被害を見ても決められないと考え、県民全体に信を問わなければならないと考える。それは知事選での投票、自治体議会の決議・意見書採択、または住民投票といった手法が考えられる」と述べ、県民の意思確認も視野に入れていることを明らかにしました。また、現在、住民投票条例制定請求が準備されていることについて、「知事は議会の中では良し悪しは言及していない。しかし、まだ県民の判断材料がすべて出揃っていない。情緒に流れ、時期尚早ではないのか」と意見を述べました。
率直で有意義な意見のやり取りとなり、県としては年末に防波壁ができたとしても再稼動は認めず、なお安全上の確認が必要であるということが確認されました。その時期はかなり先となるわけで、安全上の確認のさまざまな論点で再稼動阻止の世論を維持していくことがますます重要になっています。

「防波壁が完成したからといって再稼動はしない」

午後、静岡市の中部電力において要請行動を行いました。中電側は原子力グループの朝比奈課長など4人が対応しました。
浜岡原発の再稼動問題では「防波壁が完成したら再稼動をするとは、いままで言っていない」と、これまで株主総会等で「津波対策を前倒しにして、早期に再稼動をさせる」との見解を覆しました。これは世論の強まりの反映だと言えます。
また新UPZの拡大と安全協定の締結については「自治体の希望を聞いて検討したい」と、UPZ拡大後に新たに範囲に入る5市2町との自治体の協定締結について前向きの姿勢を示しました。
 

昼休み宣伝に反響

2つの要請行動の合間の昼休みの時間帯には、静岡市の青葉公園で浜岡原発の永久停止・廃炉を求める宣伝・署名行動が展開されました。春休み期間と重なったこともあり、多くの学生が足を止め、署名に応じていました。この行動には12人が参加し、1時間で65筆の署名が集まりました。  

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