トピックス−活動報告
【12.04.20】有期雇用への改悪を許すな
期間の定めのない直接雇用で、ディーセントワークの実現うったえる
いまや労働者の3〜4割を非正規労働者が占めています。そして、その多くが恒常的な業務に就きながらも、半年間や1年間など、雇用期間を区切られた「有期雇用契約」によるものです。年収200万円を下回るような低賃金で働かされ、昇給もなく、将来の展望も持てず、次回契約を更新してもらえるか常に不安を感じている労働者が日本中に数多くいます。ところが、今月末にも審議入りする可能性のある労働契約法(有期労働)「改正」案は、かえって雇用不安化を強めるような重大な問題が多く含まれています。
4月20日(金)、静岡市内において、毎月第3金曜日定例のディーセントワークデー宣伝行動がとりくまれました。静岡県評の林議長は、「雇用は本来『期間の定めのない直接雇用』が原則であり、有期雇用は臨時的・一時的業務に限定すべきだ」と述べ、これを限定せず、ただ「有期契約が5年を超えた場合、労働者の申請で無期契約に切り替えることができる」と定めただけの政府案について、「現在働いている労働者を5年未満で雇い止めし、別な労働者に置き替える『大量雇い止め』を誘発するものだ」と厳しく批判しました。
政府案ではさらに、「6カ月の空白期間を置けば、それまでの有期労働期間は通算されない」としており、企業は労働者を5年未満で一度雇い止めし、6カ月の空白期間を置いた後、再度有期雇用契約を結ぶことができます。そればかりか、「5年を超えて無期雇用に転換しても、その労働条件は有期の時と同一」としているなど、劣悪な賃金・労働条件が改善されるような内容になっていません。
林議長は「欧州では無期雇用が原則であり、仮にパートなど有期雇用であっても賃金労働条件は正社員と同じ待遇だ。日本も有期雇用を抜本的に規制し、均等待遇原則を法制化しなければならない」とうったえ、「改正」案の抜本的見直しを求めました。
最賃を当面1000円に
また、最低賃金について、「最賃の引き上げは景気回復にも直結する。最低賃金を早急に1000円まで引き上げ、非正規労働者の賃金・労働条件の改善を図るべきだ」と重ねてうったえました。
この行動に8人が参加し、1時間足らずの宣伝行動で、用意した500枚超のチラシとティッシュを配り切るなど、有期雇用の規制によってディーセントワークの実現へ進められることを市民に大きくアピールしました。
今どの職場にも、臨時職員・嘱託職員など、有期雇用の非正規労働者が多数存在しています。非正規労働者の雇い止めを許さず、「期間の定めのない直接雇用」を実現するための運動は労働組合全体の課題です。最低賃金引き上げによる賃金労働条件の改善と併せ、職場や地域から不安定雇用労働をなくす運動に、正規職員・非正規職員が一丸となって奮闘しましょう。