トピックス−活動報告

【11.09.06】中電、御前崎シンポジウムへ社員動員認める

原発センターの追及に「もうしません」の弁

静岡県評も結集する原発問題住民運動静岡県連絡センター(原発センター)は、9月6日、中部電力静岡支店と静岡県危機管理部を訪問し、8月に行なった申し入れに対する回答を得ました。
これは、4年前の御前崎プルサーマルシンポジウムにて、中電が経済産業省原子力安全・保安院の要請により、自社の社員や関連企業等に対してシンポジウムへの参加を呼びかけていた、いわゆる「やらせ」問題に対し、原発センターが資料の公表などを求め、先月申し入れを行なったことによるものです。
原発センターの参加者は総勢8人、うち静岡県評から3人が参加しました。
中電では平尾正典広報グループ課長ほか2人が応対しました。平尾課長は、国の第三者委員会による調査でも、中電の社内調査でも、保安院の要請により中電社員が190人、関連企業からも50人がエントリーし、シンポジウムに動員していたことが確認されたと報告しました。(シンポジウムの参加者総数は524人)
これに対し、「やらせ」はいけないと認識していたならば、なぜ当時発表しなかったのか、原発センターが説明を求めると、平尾課長は「社員らの動員は、会場の空席を埋めるとともに、シンポジウムの様子を知りたかったから。問題と認識していなかった」と認識の甘さを認めました。
静岡県評の林克議長は、「国の第三者調査委員会の中間報告書にも、シンポジウムは『地元の首長が意思決定を行うために開催された』と明記されている。そこに電力会社側が全体の半数近い人間を動員するのは大変な問題。きちんと反省してもらいたい」「浜岡原発の再稼動においても、同じやり方で意思決定することはとんでもないことだ」と中電の姿勢を正しました。また、自社社員によるやらせ質問は行なわなかったが、日頃つきあいのある地元住民10人程度を個別に訪問し、発言を依頼していた件についても、「やらせと同じだ。県民に深く謝ってほしい」と厳しく批判しました。
これに平尾課長は、「今後シンポジウムへの参加動員はしません」と陳謝しました。
原発センターでは引き続き問題の究明と、今回明らかになった07年の御前崎シンポジウム以外でも同様の「やらせ」がなかったか、徹底した調査を求めました。
 

{電力会社に動員を要請するのは明らかに間違っている}

続いて訪問した静岡県危機管理部原子力安全課では、竹之内敏弘専門監と植田達志班長の2人が応対しました。
冒頭、竹之内専門監は、一連の「やらせ」問題について、県として中電に遺憾の意を伝えたことを述べました。植田班長も中電に動員を要請した保安院に対し、「空席を埋めるために電力会社に動員を要請するのは明らかに間違っている。事前に県民の参加を促すべく、告知の徹底や、(平日開催だった)開催日を休日にずらすなどの工夫が必要だった」と苦言を呈しました。
林議長は、「浜岡再開のハードルは高い」「県独自の判断が必要」との見方を示した知事と県を評価するとともに、「(再稼動については)、県民が安全かつ安心して暮らせるよう、県民の目線に立って判断してほしい」と要求。「万が一でも浜岡で事故が起きれば、日本は東西に分断され、経済的なものを含めダメージは計り知れない」と危険性を繰り返し訴えました。

▲ このページの先頭にもどる