憲法記念日の5月3日、静岡市のあざれあ会館にて「憲法を考える市民の集い」が開催され一橋大学名誉教授の渡辺治さんが「いま憲法が問われている岸田政権下、改憲の新局面と市民の課題」と題した記念講演を行いました。
開会に先立ち静岡県憲法会議を代表して菊池県評議長が挨拶しました。
第1部の文化行事では、陬波靖行(スワヤスユキ)さんによるブルースハープ(ハーモニカ)演奏がありました。陬波さんは1995年の世界大会で4位入賞するほどの実力の持ち主で短い時間ながら美しいブルースハーブの音色が会場に響き聴衆を魅了しました。
講演では、21年4月16日の日米共同声明で軍事同盟の範囲が「インド太平洋地域」に拡大され「台湾条項」(台湾への米軍介入の場合、自衛隊の武力行使を含む荷担)が明記された事により当時の菅首相が、明文改憲へと舵を切った事。それを受け継いだ岸田政権も総選挙の結果とウクライナ情勢を受け、「核共有」論、「敵基地攻撃能力」保有や防衛費対GDP比2%の支出などの防衛体制を見直し強化しています。
また自民党は、明文改憲に向け各都道府県に「憲法改正実現本部」を設置、国会では憲法審査会の定期開催を目指すなど明文改憲に本腰を入れています。最後に「戦後、自衛隊が海外派兵されても1度も軍事力を行使していないのは憲法九条があったから」だと述べ、「平和憲法を守るために今こそ市民の運動が必要な時はない。今度の参院選は、平和と憲法を大きな争点に改憲勢力3分の2を許さない事が大切だ。」と話されました。